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霧の中で

管理人「ガン」(Key系小説同人サークル「オーパー」支配人兼音楽監督)

奥地

 今日、午前に仕事をし、終えた後にいきなり祖母の墓参りに行きたくなり、ドライブがてら行くことにしました。
 ただ行くだけでは面白くないので、祖母の生まれ育った土地の水を取ってこようと思い、その地まで行くことにしました。
 私の住んでいるところは田舎です。どういう田舎かと言うと、電車が走っていません。ディーゼルエンジンで動く車両が幅を利かせています。近隣は次から次へと電化してゆくのに、完全に取り残されています。また、そのダイヤも1時間に一本がデフォルト。それでもいい方で、ちょっと奥地になると2時間や3時間に一本となります。
 祖母の墓のある場所は、そんなものではありません。上に述べたような鉄道すら走っていません。公共交通機関と言えば、バスです。それも頻繁に走っているわけではありません。
 さらに、祖母の生まれ育った土地は、今はありません。いや、あるといえばあります。湖底に。そう、ダムで沈んだ所なのです。

 職場から2時間車を飛ばして、そこに行ってきました。

 かなり北方にある所なのですが、進むにつれ、山々が迫ってきます。そう、平地が少なくなってゆくのです。山々の切れ端、その中途、たまたま開けたような所、そんな場所に建物や道や田んぼが集まっています。あとは山。ただひたすら山。時に赤々として、ときに針葉樹の凶暴さを持ち、または冷えた岩肌を持っています。山々はそれらを従え、日の恵みを遮っています。乾いたはずの晩秋、ここは無縁です。
 さらに進んでゆくと、建物や田畑など人の痕跡は途切れ途切れになり、その間を道が繋いでいます。この先に何もないのではないか、そんなことを思い起こさせ、ひやっとします。
 信号機が縦になり、退避所が増え、停止線を示す標識が出てきます。これのピンと来た方は雪国に縁のある方です。積雪という冬の出来事を、常設の施設や看板が表しています。
 もう両脇に迫り来る山の壁を超えると、開けた景色が見えました。
 ダムに着きました。
 そこの管理所と思しき所を通過し、ダム湖の淵に付けられた道を走らせます。片側は山ですが、もう片側は湖。これまでとは打って変わって広い世界が展開しています。もう少しこれを楽しむ間も無く、ある裏道へ…ダム湖の湖畔に近づく道を下ります。
 !
 滑った!
 ?よく見ると落ち葉が道を占拠しています。落ちたまま乾くことなく道と一体化している葉。ふと見上げれば原色の葉の数々。まだ落ちてゆくのでしょう。
 ある道の一角に車を停め、そこから歩いて降りてゆきます。またふと周りを見ます。かって水が溢れていたであろう割れた大地。冬に向かっている山。それの境界の道。全てを統括する空。遥かな風景が見えます。
 !
 また滑りました。割れた大地はかって湖底だった所。湿気をいまだ帯びているそれは泥濘、スニーカーなどいとも簡単に滑らせます。しかも、足がみるみるうちに沈んでゆく。危険を感じた私はすぐ引き返しました。幸い、車を停めた所にダムに流れる沢があったので、そこで水を採取しました。
 車に乗り、もと来た道を引き返します。来たときとは逆に風景が流れて行きます。そうするうちに祖母の墓に着きました。
 高台にあるその墓に行き、お参りを済ませた後、背後に広がる景色を見ます。暗くなった空、山、マンション、スーパーマーケット、家々…なんか、都会に見えました。

 明日、東京に行きます。今日の私の眼は、東京をどのように見るのでしょうか。





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  1. 2008/11/22(土) 22:17:49|
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