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霧の中で

管理人「ガン」(Key系小説同人サークル「オーパー」支配人兼音楽監督)

この前の上京

 先日、土曜日曜と東京に滞在した。目的はコンサートである。

 小林研一郎による読売日本交響楽団、ユベール・スダーンによる東京交響楽団、井上道義によるサンクトペテルブルグ交響楽団、以上3つのコンサートである。

 最初は小林による読売日響のコンサートである。出し物はスメタナの蓮作交響詩「我が祖国」。久々に純オーケストラの、コバケンの音を堪能できた。聴いていて鳥肌が立ってくる。スメタナの音楽にも隙がない。あれだけの楽器を使用していながら死んでいる楽器が一つもなく、有機的に繋がり、芳醇な響きと混じりけのないスラヴ音楽を奏でている。交響楽団はこうでないと。コバケンにしてはノリがいまひとつという印象も受けたが、上々のコンサートだった。

 会場は東京芸術劇場、リニューアルしてから訪れるのは2回目になる。あの長いエスカレーターが短くなったのは残念だが、仕方のないことだろう。

 次はスダーンによる東響のコンサート、出し物はモーツァルトの戴冠ミサとレクィエムである。戴冠ミサは響きが明るく、メリハリもはっきりしていて、モーツァルトの音を十分に楽しめた。以前に兵庫で、スダーンのブラームスとシューベルトを聴いたがイマイチだったので、余計に嬉しかった。が、レクィエムはそうではなかった。演奏姿勢は戴冠ミサと変わらないのだが、私が『レクィエム』に求めるものが皆無であった。サッパリし過ぎており、凄みのすの字もない。以前にこの音楽を聴いたのは…2011年3月…そう、大震災直後に行われた小林研一郎の東響のコンサートによるもののときだった。あの時はモーツァルトのレクィエムのラクリモーサまでとベートーヴェンの英雄が演奏されたのだった。あれほど気迫と凄みと、何か言葉では表現し難い『人の力』に満ち溢れたコンサートは、近年まれに見るものであった。これを凌ぐコンサートは、ここ最近体験したことはない。

 会場はサントリーホール。私はサントリー贔屓ということもあって、このホールが好きだ。中のバーに響などが置いてあるだけでなく、ホールそのものの響もいい。

 以上、土曜日にダブルヘッダーで聴いてきた。我ながら好きものである。

 最後は井上道義によるサンクトペテルブルグ響のコンサートである。出し物はチャイコフスキーのロミオとジュリエット、ストラヴィンスキーの火の鳥、ショスタコーヴィチの革命だった。井上はノリノリで、颯爽と、しかし軽くならず重厚にオーケストラを響かせていた。オーケストラは、さすがロシアという低音群のみならず、意外(?)に弦がきれいに響いていた。このコンビの成果はメインの革命ではじける。音楽的な裏づけをともなった、ノリノリの演奏は最後に観客を熱狂の渦へと引き込んだ。そうとう井上もオーケストラもご満悦だったのだろう。アンコールは4曲に及び、これらもまた大喝采を贈るべき演奏であった。余程良かったのだろう。最後にオーケストラが楽屋に引き上げても拍手が収まらず、指揮者とコンサートマスターは改めて舞台で挨拶をしなければならなかった。このコンサートで、少しハプニングが起きた。第一楽章終了後に、井上が客席のある方向を見たのである。そしてそこに、舞台を降りて行った。どうも、補聴器をしている人がいて、その機械の調子がおかしく、信号音が鳴っていたようなのだ。井上は声を荒げることなくスタッフを呼び、その方も静かにホールを後にした。オーケストラも井上から状況を伝えられ、ついでと思ったのか、井上はオーボエに合図を送ってオーケストラに調音をさせた。この後の2楽章、実に切れのいい音だった。

 ホールは横浜みなとみらいホール。ロビーにガラスが多用され、外の良く見えるホールである。もちろん響も良い。こんなホールが神戸にあればいいのに。

 以上、3つのコンサートだった。

 今回で一番の成果は、井上によるサンクトペテルブルグ響のコンサートだろうか。小林のように『絶対的』なものではなく、例えは聴いていて鳥肌が立ったり頭の芯を殴られたようなというものではないかもしれない。しかしそれとは全く別の方向で感動をもたらす、実に面白い指揮者を見つけられた。

 今後積極的に井上のコンサートに行ってみようと思う。

 あと、ワルプルギスの交響楽団のコンサート、こういうホールで演れたらなあと、つくづく思った。もしあのコンサートがサントリーで行われていたら…もっと多くの聴衆を魔女にせずにすんだだろう。また、音響も抜群に良い。

(敬称略)





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  1. 2013/04/24(水) 04:25:29|
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